Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





力一杯に抱きしめる日向の腕の力に、見える視界が歪んでいく。


“消えたくない”


この時あたしが願ったのは、ただこれだけの事だった。


だけど人間ってのは満たされると、だんだん欲深くなっていくね。


もっと一緒に居たいと思うこと、それがどうしていけなかったのか、あたしは今でも分かりそうにないよ…日向。


夕日に照らされて、涙が枯れそうなほど泣いたその日、あたしは全然気がつかなかった。


鈍色の瞳を悲しく光らせオレンジ色の空を眺める壱夜が、苦い表情をしていた事に…。





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