Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





日向の家の前、雨に打たれ俯くあたし達。


「俺がおったらよかってん。ごめんな、陽菜…っ」


苦しそうな声でまたも謝った日向があたしを抱きしめ、一瞬だけ温もりが伝わる。


“南條陽菜”が死んだこの日、一体何があったのかあたしは覚えていない。


けどこうして夢になって、段々と記憶は埋められていく。


…だからこの続きは、もう見たくないと思った。


こんなにも必死で追いかけて来る日向の手を、あたしは何度も振り払ってしまうから。


そして、何度も日向を突き飛ばしてしまうから。


「いやっ…!」


「っ…!?」


…こんな悲しそうな日向の表情は、胸が苦しくなるからもう見たくない。





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