Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
てっきり日向がボコボコになって倒れているのかと思った……けど、それは全く心配いらなかった。
寧ろ可哀想だと思うほど、ボコボコになっていたのは相手の方だった。
これじゃあ五人いても、リンチとは言い難い。
「日向、もう止めろ」
隣にいた壱夜が、もう一度拳を振り下ろそうと後ろに引いた日向の腕を掴む。
軽く息を乱した日向は、やっと今あたし達に気がついたのか、驚いたように目を見張った。
「イチ……」
「もう十分殴っただろ?…そいつ、気ぃ失ってる」
壱夜が顎でクイッと差した茶髪の男は、見事に顔を腫らして意識を飛ばしていた。