Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
『あーあ。結局ほとんど日向が食べたやん…うちのメロンパン』
昼休み終了10分前、ざわついた廊下にあたしの不貞腐れた声。
それに壱夜が軽く笑い、日向が豪快に笑う。
「俺の、メロンパンや」
『うちの、メロンパンや』
「もとはと言えば俺の金で買った物や。俺の、メロンパン」
勝ち誇ったように笑いながら、頭の後ろで手を組む日向。
傍(はた)から見れば、一人でげらげら笑って「俺のメロンパン」と連呼している変な人だ。
…ほんと、幸せなヤツ。
そんな皮肉めいたことを頭ん中で繰り返しながら、えらく楽しそうな日向を見上げると、あたしの悔しそうな顔に反応してか、またも彼の口許が楽しそうに上がる。