Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





「いってぇ…」


その場から動くに動けず日向の方を見ていると、横から悲痛な声が聞こえ…


振り向くと先輩が頭を押さえて俯いていた。


ごちっ…と嫌な音がしたと思ったら、壁に頭をぶつけたらしい。


切れた唇と髪の間から見える悲しそうな瞳に、あまりにも先輩が可哀想に思えて―――…


「陽菜ちゃん…」


耳に届いたそれに、彼の頭の上まで伸ばしていた手を止めた。


「陽菜ちゃん、ごめん」


…先輩のバカ。何でそんな悲しい顔で謝るんよ。


何でそんな―――…




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