Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





静かな部屋に、秒針の微かな音だけが響く。


『なぁ日向…』


「…ん?」


呼び掛けると彼は首を傾げ、少し笑う。


―――“何でいっつも大事なことは教えてくれへんの?”


そんな日向に、やっぱりあたしの口から次の言葉が発せられることはない。だから…


『う、ううん。…何でもない』


あたしはいつもこうして誤魔化し、答えを探すことはしない。


だって追求してみたところで、得るものは何一つなくて…


いつも最後に知るのは、日向の困った顔。





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