Heavenly sky-あたしと君に残された日々-




軽く室内を見渡した彼女の視線は、自然と日向へと向けられて、


「あ…」


一瞬目を見開いたものの、すぐにその頬は真っ赤に染まった。


「…山岸?」


横にいた日向が振り向いて、彼女の頬はますます染まる。


“りんごかっ!”と突っ込みそうになったところで、やっと思い出した。


…焼きそばパン女。


そうだ、この子…焼きそばパン女だ。


あたしが幽霊になって早々……屋上に突如現れた一人の女の子。


お腹を空かした日向に手作りの焼きそばパンを持参して―――…


「これからあたしがお弁当作ってあげる!」なんて、驚愕する言葉を吐いた子だ。





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