Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
涙が頬を滑り、顎のラインへ沿って流れてく。
そっとベットから立ち上がると、保健室の後ろのドアをすり抜けて廊下に出た。
『日向のアホ…』
鼻をすすりながら呟くあたしは、なんて滑稽なんだろう。
ここで大泣き出来たらいいのに、たった一枚の壁しかないこの場所じゃ、あたしの泣き声なんてすぐに日向に聞こえてしまう。
足元を見つめると、廊下にはぽつぽつと涙の痕が出来ていて―――…
「ほんと、バカだよ」
背後から落とされた声にふと目線を上げると、幽霊のあたしには出来る事のない影が足元に重なった。