Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





ぽろり、零れ落ちた涙はきっとデコピンのせい。


たとえ違っても、そう思いたかった。


じゃないと-――自分がとても惨めで。


だって、ちょっと期待してたんだ。


あたしが保健室から居なくなった事に真っ先に気がついて、日向が探しに来てくれるんじゃないかって。


あぁ、ダメだ。自分が嫌になる。


-――この感情は、一体なに?


『…イチ』


「ん?」


少し先にいた壱夜が、立ち止まったままのあたしに不思議そうに振り返る。




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