Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





急に胸の中へと引き込まれたせいで変な声を出したあたしに、次に届くのは優しい温もり。


『ひ…っく…ひな、た…?』


そう呟くとより一層抱きしめる力が強くなり、息を吸うのも困難に感じる。


驚いたせいで涙もひっこんで、この状況にあたしの弱い頭は簡単に停止した。


長い沈黙が訪れ、お互いの呼吸の音と秒針の音しか聞こえない。


「……」


『……っ…』


抱きしめられるのなんて、今まで何度だってあった。


長い沈黙だって、日向となら心地よかった。


――――けど。


…今はこの状況が苦痛で仕方ない。





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