Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





どこかで見た様な気がするのに、顔がはっきり見えないせいで思い出せそうにない。


「あんたの言ってる意味が分からんねんけど」


あたしがに吐き捨てるように言葉にすると、やっぱり彼は楽しそうに鼻で笑う。


「理解力ないん?陽菜ちゃんってやっぱアホ?」


「……あんたに言われんでも知ってる」


「ははっ!まぁいいや。もうちょっとしたらどんなアホでも分かるわ」


「…はぁ?やっぱあんた意味不明」


そう言って彼に背を向けると、あたしはどこかへ歩きだす。


自慢の栗色パーマを揺らしながら、強気な足取りで。


―――だけどその強い足取りは、


「なぁ、杉山…殺していい?」


彼の一言で、意図も簡単に止まった。





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