Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
「なっ…!」
思わず振り返ったあたしの耳を、
「殺しちゃっていい?」
もう一度、その耳障りな声が支配する。
「なぁ、陽菜ちゃん」
「……っ…」
「早く行かな…あいつ死んじゃうよ?」
そう、やっぱりニタリと笑った“そいつ”に寒気がする。
今度ははっきりと視界に映り込んだ“そいつ”に、吐き気がする。
あまりの怒りに唖然とするあたしの前で、
「あいつ…目触りやねん」
“そいつ”もとい、稲葉光輝が意地悪く笑った。