Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
『…あれ?』
確かに命中したと思ったそれは、あたしの手をすり抜けブロッコリーだけをその場に置いていく。
「何やってんねん」
『へ?』
暫く自分の手を見つめていたあたしに、日向が顔を覗きこんで来る。
見るともうお箸の先にブロッコリーは挟まれておらず、かわりに卵焼きがつままれていた。
『別に…なんでもない』
「ふーん?」
興味無さそうに日向が視線を卵焼きに戻し、大きく口を開く。
まるで人質のように日向の口へ吸い込まれていく卵焼きが、なんだか可哀想に見えて―――…