Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





なんて、密かに脚の筋を伸ばし“どうやってとび蹴りをお見舞いしてやろう”と考えながら、日向の風に揺れる見事な金色を見つめていた時だった。


「さぁ、僕ちんはおべんきょでもすることにしようかな」


なにを思ったのか、彼は意味不明なセリフを吐くとあたし達に向き直る。


そのセリフをを飾りに、かけてもいない眼鏡を中指でクイッと上げるフリをする。


意味深な笑顔が何だか怖い。


「『……』」


―――そして、空気が凍った。


ギラギラと真夏の太陽が照りつける屋上に、ヒューと粉雪が舞った。


突然のボケに固まるあたし達に、


「南條君、東江君、くれぐれも邪魔はしないでくれたまえよ」


なおも日向のボケという名の奇行は続く。







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