Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
このままここにいてはいけない気がするのに、どうしても足が動かない。
考えようとすればするほど頭も回らなくなって―――…
まるで耳だけが生きているみたいに、この場の音を拾う。
「で、あのライオンのお姫様、抱き心地どーやったわけ?」
「んー?どうやろ、ナイショ?」
「はぁ?何なんそれ、きっしょ」
「うわっ叩くなよお前、痛いねん。まだ一応俺ケガ人よ?」
へらへらと笑いながら、肩を叩く綾子の腕を取る光輝。
彼らを目に映しながら、これ以上聞いてはいけないと頭の奥で警戒音が鳴り響く。