Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
「おはよ」
『おはよーイチ!』
いつもと変わらず笑顔を向けてくれる壱夜に、後ろから勢いよく抱きつく。
「昨日…大丈夫だったか?」
そう言ってあたしの頭を撫でる彼の頬は痛々しく腫れ、唇の端は血が滲んでいる。
『うん…。イチ、ごめん』
思わずその頬に触れたあたしに、笑顔を崩さず壱夜が手を重ねた。
「陽菜が無事なら、それでいい」
ふわりと優しく微笑む壱夜に、思わず頬が赤くなる。
『あかん、イチ!それあかんやつやわ!』
「え?」
『世界中の乙女みんながドキュンのやつやわ!』
両手で顔を覆い叫ぶあたしに、目の前の壱夜は意味が分からないという顔をする。
彼は自分の美しい顔が凶器になるとは、微塵も思ってないらしい。