Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
「待てよ、陽菜っ!」
精一杯腕を伸ばし、走り去る彼女の手を掴もうと試みる。
そんな俺の目に涙にぬれた陽菜の横顔が映る。
いくら現実に見放されたって、どうしても諦められない。
お前のためだったら、俺は何年だって生きてやるから。
だから陽菜、行くなよ。
ずっと傍におってくれ。
伸ばした手は、確かに陽菜の手を掴んだ。
けれど、俺にその感触は伝わって来ない。
確かに掴んだはずの彼女の手は、俺の手をすり抜けその場を後にした。
走り去る陽菜の体が光に透けて、俺はそれ以上追いかけることが出来なかった。