Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
★last Ghost
☆夕暮れの時
さわさわと風が吹く。
水面が揺れ、流れていく川を見つめていた。
もう戻って来ないと分かっていても、どうしても期待してしまう。
どうしてもっと大事にしてこなかったんだろう。
当たり前の毎日が今ではこんなにも大事に感じる。
「―――陽菜」
呼ばれて振り返る。
夕日に照らされた彼がふわり、笑った。
もう遅いかもしれない。けど、まだあたしはここにいる。
『ごめん、呼び出して』
そう言うと彼はお決まりの笑顔を浮かべながら、
「だから、ごめんじゃなくてありがとうだろ」
そう、あたしの頭を撫でながら隣に腰かけた。
『…うん、ありがと』
「よくできました」