Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
「どうしてだろうな」
『え?』
彼はあたしから目を逸らし、川を見つめて口を開く。
「たったの1か月と少し」
『うん』
「それだけなんだよ、俺たちが出会ってから」
『…うん』
「なのに、俺は陽菜の事たくさん知ってる」
『う、うちだって壱夜の事いっぱい知ってるで!』
必死にそう言うと壱夜は笑って「あぁ」とつぶやく。
けどあたしの方に目を向けることはなく。
「少しの間だったのに、これだけ陽菜を知ることが出来た」
『そんなん時間とか関係―――』
「あぁ、関係ない。けど、やっぱり俺以上にあいつは知ってんだよ、陽菜の事」
“あいつ”そう言われて真っ先に浮かぶのは、もちろん“あいつ”しかいない。