Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





憎たらしくて、いつだって強気で、あたしの顔を見ればバカバカって。


けどいつだって優しくて、なぜか安心できて―――


そんなヤツ世界中どこ探したってあいつしかいない。


「優しすぎんだよ、あいつは」


『……っ』


「まぁ結果、陽菜を泣かしてるとも気づいてないだろうけどね」


そう言って、俯き涙を流すあたしの頭を少し乱暴に片手で撫でる。


だけどやっぱり彼があたしを見ることはなくて。


『イチは知ってた?あたしが消えること』


「……」


彼の綺麗な横顔を見つめそう聞くと、壱夜は静かにあたしの身体を抱きしめた。





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