Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
もう戻れない。これで終わり。
そんなことは分かってる。
一度伏せた彼の目がもう一度あたしを捉え、そして抱きしめられる。
「ありがとうな、陽菜」
『うん。こっちこそ、いつも騒がしい奴でごめん』
「ははっ!でもそれが陽菜の良さだろ?」
『…イチは、最期まで優しいんやな』
「―――そんなことない。今だって自分の感情押さえるのに必死だ」
『…え?』
「いや、何でもねぇ」
夕日に照れされた彼の横顔が、微かに赤く染まっているのが分かる。
彼らしくない一連の動作に少し戸惑うも、その横顔をしっかりと目に焼き付けた。