Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
穏やかな川の音が耳に届き、目を閉じる。
「……俺の方こそありがとう」
『ううん、うちイチに迷惑かけてばっかで……』
あたしが申し訳なさそうに言うと、彼は軽く笑って、
「陽菜は知らないんだよ」そう、ゆっくりと息を吐く。
『え?』
「俺が何度お前に救われたか、陽菜は知らないんだ」
『でも…ほんまにうち何も、』
「俺のこの能力を、素敵だと言った。ただのトラウマでしかなかったこの能力を、お前は素敵だって言ったんだ」
『そんなこと……』
「ほらな、陽菜はわかってない。その言葉に俺がどれだけ救われたか」
『……』
「今じゃ感謝すらしてんだよ、この力に。だってこれのおかげで陽菜と出会えた」
そう言って笑った彼は嬉しそうで、でもどこかやっぱり寂しそうだった。