Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
『イチ、そろそろ』
「あぁ、そうだな」
それから少しして、赤みを増しだした夕日と共に壱夜の身体から離れた。
結局、昨日の夕方から日向とは会っていない。
今何をしてるのか、どこにいるのかもわからない。
―――けど、こんなにも日向に会いたくて仕方なくて。
「陽菜、悪かったな。足止めして」
『ううん、ほんまにありがとうイチ』
「あぁ」
―――そう呟いてあたしの頭を撫でようと伸ばした彼の手が、あたしに触れることはなかった。
ふと自分の足元を見ると、微かに足の先が薄くなって透けているのが分かる。
彼もそれに気づいたのか、触れることのできなかった手をすぐに引っ込めると苦笑いを返し、
「さぁ、早く行って来い」
そう、顎で日向の家の方向へ促した。