Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
☆笑って
『はぁはぁはぁっ……』
沈む夕日の中、息を上げながら懸命に走る。
いくら走っても苦しくなんてならなかったのに、何故か今は生きてるみたいに苦しい。
どうしてか飛ぶことも出来なくて、今まで幽霊として出来ていたことが何故かできなくて。
『……日向っ』
叫びながら、涙を堪えて走る。
今どこにいるかなんてわからない。
でも、何でだろう。あたしの中の何かがこっちだって、このまま走れって叫ぶんだ。
―――そして見つけた。
夕暮れの中、さらさら風になびく金髪。優しい背中。
あたしがこの世に戻って来た意味、今日でやっと分かった気がするよ。
ねぇ―――
『日向っ…』
呼ぶと、振り返る。
寂しそうな瞳を潤ませた、麗しのライオン。