Heavenly sky-あたしと君に残された日々-





―――陽菜、最期にいいか?


ん?


―――ほんとは言うつもりなかったんだけど


うん


―――あいつ、もしかしたらヤバいかもしんねぇ


あいつって……日向のこと?


―――あぁ。普通、幽霊なんてそうそう見るもんじゃねぇ。それも一瞬なんかじゃなく継続してなんて、ほとんど無いに近い。…けど、あいつは陽菜どころか疾風まで見ることが出来た


…うん


―――それがどういう意味かわかるか?


わからへん…


―――限りなくあいつが、陽菜たちの世界に近いってことだよ


え?


―――このまま一人にしたらマジでやばいかもしれねぇ


それって、日向が危ないってこと…?


―――わかんねぇ。けど、あいつを救えるのはお前だけだ。そのためにこの世界に戻って来たんだろ?


……っ…


―――大丈夫。陽菜ならできるよ




さよならをする少し前、そう言って笑った壱夜にあたしは何も返せなかった。


あの言葉が何を意味してるかってことに、気づいてしまったから。


だから日向がそこまで思いつめていたことに寂しくなって、何も言えずに俯いた。






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