Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
抱きしめられたと思ったのは一瞬で、すぐに温かさは空気に溶けた。
「う、そやろ…?」
日向の震える声が耳に届き、自分が透けていることに今更ながら気づかされる。
「ま、待てって陽菜!」
そう言ってあたしの頬に触れようと手を伸ばした日向に、
『もう…触れられへんよ、』
涙で歪む視界、首を振って俯いた。
案の定彼の手はあたしの頬をすり抜け、触れることなく宙を彷徨う。
力を失ったように膝から崩れ落ちた日向に、あたしもしゃがむと目線を合わせた。
『うち、日向に出会えて幸せやった』
「……」
『二人でアホなことばっかして、日向とやったら何やっても楽しくて…』
「……あぁ」
『あんたは、うちの一番の宝物』