Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
『もう…行かなあかん』
自分の消え始めた手の平を見つめながら、後少しであろうその時間にそっと呟いた。
すると座ったままの日向が、まるで抱きしめるようにあたしの身体に腕をまわし、耳元で「ごめんな」と囁く。
謝らないといけないのはあたしの方なのに、こんなときでも日向は自分を責める。
でも、そんな日向だからこそ。
そんな優しい日向だからこそ、あたしは大好きになったんだ。
『うちの方こそ、ほんまごめん…』
「……」
『でも、それ以上にありがとう』
「……あぁ」
『出会ってくれてありがとう』
「……俺もや」
『こんなうちを好きって言ってくれてありがとう』
「めっちゃ好きや、陽菜」
『……っ…うち、めっちゃ幸せやった』
ぎゅっと力を込めて日向の身体を抱きしめるけど、その手は虚しくもすり抜けていく。
でも何故か暖かくて、優しくて、たとえ触れることはできなくても、日向の温もりはここにあるんだと確かに感じた。