Heavenly sky-あたしと君に残された日々-




最期の方は、嗚咽でちゃんと言葉になっていたのか分からない。


ただキラキラと光る涙に身体が軽くなって、それがどうしても悲しくて。


「陽菜、待て!行くなっ」


『…っありがとう、日向』


「待てって、俺をおいてくなっ!」


『……ごめんっ』


「お願いや……二度も俺の前から消えんとってくれ…」


日向の目からこぼれる大粒の涙があたしの涙に混じって、キラキラと切なく光る。


―――あぁ、何だか眠い


そうか、消えるのか。あたし。


まだやりたいこといっぱいあった。やり残したことだってまだあった。


でも、これでいいの。


最期に日向と過ごせた日々。


この49日間が、こんなにもあたしの胸を暖かくする。


―――あたしは、幸せだった。





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