Heavenly sky-あたしと君に残された日々-
『違うで、日向』
最期の力を振り絞り、重たい瞼と口を動かす。
『うちは、日向のことおいていったりせぇへん』
「……っ」
『…ただ、少しだけ先に天国にいくだけや』
「……」
『そう教えてくれたの、日向やんか』
―――遠く、幼い記憶。
ピッピが死んだ時、日向がそう言って励ましてくれた。
『だから…少しだけ先に行くけど、絶対に向こうで日向のこと待ってるから』
「…あぁ」
『ずっとずっと、見守ってるから』
「あぁ」
『だから……』
「あぁ、分かってる」
―――うちのこと、忘れんとって
最期はもう、声にならなかった。
けど日向の言葉とその目に、もうなにも心配はいらないと思った。