王宮の果実
暑い夜に煌(きら)めく贅沢な光。
シャンデリアやふんだんなランプは、美しく着飾った女達の光沢あるドレスや、胸元や髪に添えられた宝石をより一層輝かせる。
夜も更けたというのに眠らず踊り続ける客人達。
「はふぅ~……」
大きなあくびが出たって当然だと思う。
もちろん扇子で隠しての事だけれど、それでも私の傍に付いていたフェンレントの目はギラッと光り、ゴホン、とわざとらしい咳払いが聞こえた。
(ケッ……嫌なヤツ!)
心の中ではしたない悪態をついた。
今宵は宴。
協定を結んでいる隣国の客人を招いての壮大なパーティ。
自国をアピールするためのものでもあるから手抜きも出来ず。