王宮の果実






暑い夜に煌(きら)めく贅沢な光。


シャンデリアやふんだんなランプは、美しく着飾った女達の光沢あるドレスや、胸元や髪に添えられた宝石をより一層輝かせる。





夜も更けたというのに眠らず踊り続ける客人達。



「はふぅ~……」



大きなあくびが出たって当然だと思う。


もちろん扇子で隠しての事だけれど、それでも私の傍に付いていたフェンレントの目はギラッと光り、ゴホン、とわざとらしい咳払いが聞こえた。



(ケッ……嫌なヤツ!)


心の中ではしたない悪態をついた。







今宵は宴。



協定を結んでいる隣国の客人を招いての壮大なパーティ。
自国をアピールするためのものでもあるから手抜きも出来ず。
< 7 / 16 >

この作品をシェア

pagetop