王宮の果実



顔に人形のような笑みを貼りつけて、客人の社交辞令に付き合う。




我がダナマタ―ル王国は、小さな国ながらも、近隣の国々から一目置かれているの。

それは何故かというと、水の少ないこの一帯に置いてダナマタ―ルだけは、枯渇(こかつ)する事のない湖を所有しているから。


もちろん独占するわけではなく、きちんと、協定を結ぶ諸国にも分け与えてはいるのよ。


でも、我が国の提供がなくなると皆水に困るのが目に見えている訳で、仲良くしておくにこした事はないというわけ。




それで今日一日はおべっかの嵐。


でも……
もうさすがに疲れたわ。


< 8 / 16 >

この作品をシェア

pagetop