Kissシリーズ・「執事とのキス」
だから彼と一緒にいることは、正直居心地が悪かった。

平凡な自分とは、まるで別世界にいるような人間だから…。

彼はぼんやりと外の景色を見ていた。

だからアタシは何気なく、彼を見ていた。

彼の顔はキライじゃないから…。

けれどいきなり、彼はアタシの方に視線を向けてきた。

だから慌ててそらしたら…。

キキィーっ!

グラッと体が前のめりになった…と思った瞬間、意識を失った。

…しばらくして目が覚めた。

その時、ようやく自分の置かれている状況に気付いた。

バスが…事故った。

バスの中はひどく歪んでいて、アタシはイスの下に倒れこんだから、無傷だった。

でも運転手の人や、彼は!?
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