社長のご指名
「さーくん、ねんね。」


「えー…と、寝るのかな?」


「さーくんはここー。ままはここ。」





紗衣を真ん中に私は右、海堂社長は左に寝転ぶ事になった。





横向きに寝転ぶとキュッと手を握ってくる。





「たのしね〜。」


「そうだね。楽しいね〜。」





頭だけを動かし交互に私と海堂社長を見る紗衣。





「さーくん、まましゅきー?」


「…鳴海さん?」


「ままっ!」


「まま?」


「しょー。まましゅきぃ?」





いきなりなんて事聞くのよ……。




無邪気なのはいいけど、罪よね。




海堂社長と目が合ってしまい、逸らすわけにもいかないから笑ってみたけど、絶対顔が引き吊ってるはず……。





「うん、好きだよ。」


「きゃう〜!さえねー、ままとさーくんしゅきぃ〜。」


「僕も紗衣ちゃん好きだよ。」





そういう事かと、安心したけどそうはいかないみたい………。




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