社長のご指名
「私……やっぱり、無理です。忘れられない……。」





3年たった―――…けど、私の心にはまだいるの。





最高の思い出と最高の愛をくれた。





「忘れなくていいのよ。心にいていいのよ。貴女がまた誰かを愛しても応援してくれると思うわ。まぁ、ここまで言ってなんだけど…貴女の心のままに動きなさい。でも、これだけは忘れないで。私はなにが合っても章菜の味方よ。苦しくなったら、悲しくなったら、一人じゃどうしようもなかったら私に言いなさい。傍にいるわ、抱き締めてあげるわ、相談にも乗るわ。」





梨珠さんが真剣言うから―――…嬉しくて嬉しくて、涙が出てくる。





「ほら、おいで。」





手を差し伸べてくれた梨珠さんに、私は子供の様に抱き着きすがって泣いてしまった。





両手で私の顔を挟み、微笑みながら涙を拭ってくれるけどそれでも涙は止まらない。




< 163 / 316 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop