社長のご指名

｢ママ〜、庭で遊んで……………ママ、章菜ちゃんに怒ったの?｣


｢ママっ、パパが言ってた悪口言ったの憂だから章菜ちゃんを怒らないで!｣





暫く泣いて、漸く涙が引く頃に藍梨ちゃんと憂梨ちゃんがリビングに降りてきた。





｢人聞き悪いこと言わないでくれるかしら?憂梨、パパみたいに説教がお望みならしてあげるわ。そこに正座なさい。｣


｢｢ごめんなさいっ。｣｣


｢わかったなら、外で元気に遊んできなさい。｣





はーいと返事をした藍梨ちゃんと憂梨ちゃんは杏梨ちゃんと紗衣を連れて庭に行くみたい。





｢ままぁ〜おしょと……ままぁ、いたいいたい?｣





傍に来た紗衣が心配そうに顔を覗き込んでくる。





｢痛くないよ〜。お外行くの?｣


｢しょ〜。めっ?｣


｢いいよ。遊んでおいで。｣





ニッコリ笑った紗衣は杏梨ちゃんと手を繋ぎ、リビングを出て行った。