社長のご指名
病院に着き、走って入り口に行くと須藤さんと1人の看護師が立っていた。





「海堂社長っ!」


「須藤さんっ、鳴海さんは!?」


「私も今来たばかりでまだ…。」





看護師に案内され、走るように鳴海さんの病室に向かう。





薄暗い廊下に見えた光。





その部屋に近づくにつれ、狂うように叫ぶ声と泣き声が聞こえてきた。





須藤さんは一目散に駆けて行き、激しく扉を開けた。





後に続いて、俺も中を覗くと悲痛な姿の鳴海さんが床に倒れ込んでいた。





顔にはガーゼが貼られ、左腕はギブスをし両足もギブスをしていた。





他にも包帯を巻かれ痛々しい姿。




半狂乱になって泣き叫ぶ姿は見てられなかった。





警察を追い返した鳴海さんを抱き上げ、ベッドに乗せる。





泣き続ける鳴海さんに言葉が出なくて、背中を撫でる事しか出来ないでいた。




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