社長のご指名
修一は優しくて強くて温かくて大嘘つきだった。





「好きなの―――…。」





通院を始めて2ヶ月が過ぎた。





人並みとは言えないけど、食事も喉を通るようになった。





体重だって目標とまではいかないけど、増えてきた。





病院で修一と会わない日なんてなかった。





家族の話、友達の話、最近のニュースの話、日本の話。





どの話をしていても楽しかった。




なにより修一に会える事が嬉しかった。





もっと会いたい、もっと話したい、もっと知りたい。





病院以外でも修一と一緒にいたい。





だから、思いきって告白した。





「それ本当?」


「嘘で言えるわけないでしょ?」


「うあ―――嬉しい!俺達両想いだな。」





照れ臭そうにニカッと笑った顔は今でも忘れられない。





「俺も章菜が好きだよ。一緒にいるとさ楽しいんだ。時間を忘れるぐらい話に夢中になってさ。」




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