社長のご指名
本当の恋が出来たと思った。





「最近は話より章菜に夢中なんだけど。」





こんなクサイ台詞さえも嬉しく感じて涙が出てしまった。





「じゃあ、私と………。」


「ごめん。」





続きは言わせてもらえなかった。




「なんで?今の好きは違ったの?友達としてって事?」


「違うよ。一人の女性として好き。」





そういう修一の横顔はどこか悲しそうで辛そうだった。





「俺さ、ずっと章菜に嘘ついてたんだ…。」


「な、に…?」





フッと笑った修一は泣きそうだった。





「拒食症なんて嘘なんだ。本当は、ガンなんだ。」


「――――…っ。」





ガン……そんなの信じられない。




だって、凄く元気なんだよ?





信じれるわけないでしょ?





「一回手術したんだ。けど、また転移してた。進行も早くて先生に言われたよ……一年。後一年しか生きられないって。」




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