社長のご指名
「ごめんなさい。なんて言ったんですか?」


「だからっ…。」





手を退けた海堂社長は少し照れてる?





「しょうがないだろっ!好印象に思って欲しかったんだよ…。」





好印象って………今晒け出して私の気持ちが変わるとか思わなかったの?





「口悪い奴を好きになる女なんてそうそういないだろ…。自分を隠すほど本気なんだよ。」


「………。」





なんだろ………凄いってわけじゃないけど、まぁまぁ口は悪いんだけど可愛いって思ってしまう。





恥ずかしそうに目を逸らし、諦めたように前髪をゆっくりと掻き上げる。





形のいい口から漏れる低いけど心地いい声。





嫌いになるわけないでしょ?





自分を隠していても、今までの気持ちや行動は嘘じゃないでしょ?




「朔夜………こっち見て。」




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