社長のご指名

朔夜と私が口に出した途端、分かりやすく固まっていた。





｢今……。｣


｢どんな朔夜も好き。｣


｢章菜……。｣





目を見開いて、今度は朔夜がちょと間抜け面になっている。





｢私で後悔しない?嫌いにならない?｣


｢んなの……なるわけないだろ?章菜だから、紗衣ちゃんだから好きになったんだ。｣





口が緩んでどうしようもない。





｢ありがとう。朔夜、好きよ。｣





ため息を吐き出した朔夜はベッドの端に座り、私の体を気遣いながら優しく抱き寄せる。





｢幸せ。………現実じゃないみたいでおかしくなりそう。｣





温かい体にソッと手を回す。





ほんの少しだけ体を離して顔を見合わせる。





自然と笑みが溢れて、朔夜も柔らかく微笑んでくれる。





｢ままぁ?さーくんとギューどして?｣