社長のご指名
「初めまして、海堂朔夜(カイドウ サクヤ)です。」


「さーくん!」


「さーくん?」





やだっ、海堂社長にさーくんなんて……。





「すいません!気にしないで下さい。紗衣、さーくんはダメ。」


「ごめんちゃい…。」


「紗衣ちゃん、さーくんでいいからね。」





海堂社長に抱き上げられた紗衣は満面の笑みになる。




「さーくんしゅきぃー。」




海堂社長に抱きついた紗衣を見てると少し胸が苦しくなる。





私の父親以外の男性といるのが初めてで、嬉しそうにしてる。





私って自分勝手だな……紗衣の事を一番に思ってるのに、違ってたのかな…。





ご機嫌な紗衣は海堂社長の膝の上に座っている。





「紗衣ダメ。こっちに座って?」


「気にしなくていいですよ。」


「でも……。」


「仲良くなれたので、このままでいさせて下さい。」

「本当にすいません。」




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