社長のご指名
海堂社長の腕にしがみ付き、口を尖らせ睨んでくる。




「もう動物園行かない。」


「ゔ〜やっ!」


「じゃあままと行く?」


「さーくんは?」


「ダーメ。お仕事あるの。」





目に涙がいっぱい溜ってて、今にも泣き出しそう。





「さーくん……。」





弱々しく呟き、海堂社長の腕に項垂れてる姿。





紗衣はなんで海堂社長に執着するの?





今さっき会ったばかりで名前も覚えたばかりでしょ?




「鳴海さん、僕も行っていいですか?」





……………は?





「海堂社長?」


「動物園なんて懐かしいなぁ〜。たぶん小学生以来ですよ。」


「あのっ、でも!お仕事あるんですよね?」


「仕事は夜からですし、まだ時間があるんですよ。」




ニッコリと笑う海堂社長に断る言葉が見つからない。




「鳴海さんと紗衣ちゃんの話しを聞いてると行きたくなったんです。一緒に行っていいですか?」




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