白衣を脱いでも恋してる
今日はプライベートってコトでいつもよりくだけてるだけ。



酔っ払ってるから、ちょっとテンションが高めなだけ。



…それもあるかも知れない。



けど…



その、ぜんぜん先生らしくない口調を…



その、ぜんぜん先生らしくない笑顔を…



あたしといるときには絶対に見せてくれない、あたしの知らない先生を由奈が知ってるのかと思うと、



“先生に恋してるあたし”じゃなく、



“他の人に恋してる由奈”だから…



“面倒な存在”じゃない由奈だから…



そんなに無防備に笑うのかと思うと、



そんなに楽しそうに話してるのかと思うと、



由奈が羨ましくて…



同時に、



気持ちを打ち明けてるだけに、



ほんの少しだけ…



ううん。



もしかしたら、からかわれてるだけかもしれない…けど、



あたしの気持ちが折れそうになるたび、



期待しちゃうような言動を繰り返してくる先生がすごくヒドい人に思えてきて…



あたしは胸の奥底から込み上げてくるなんとも言えない気持ちを飲み込むように軽く深呼吸すると、キュッと唇を噛み締めた。

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