白衣を脱いでも恋してる

「白と淡いピンクのバラにトルコキキョウ…それ、カワイイでしょ？自信作なんだよ。」



「えっ？」



「やっぱ女の子なら憧れちゃうよね。うんうん。」



「えっ？えっ？」



あたしの持つ花束を見つめながらニコニコと柔らかい笑みを浮かべる若菜さん。



憧れ？



えと…コレ…が？



あたしは全く意味わかんないことを口にする若菜さんと花束を交互に見ながら首を傾げた。



花束って…



憧れなの？



いや、確かにお花を貰うのは嬉しいけど…



憧れ…？



「いやぁ…でもまさか杏奈ちゃんが取っちゃうなんてねぇ。花嫁サンのブーケ。」



「えっ…」



でも、若菜さんがさらりと口にしたその言葉を聴いた瞬間、



花嫁サンの…？



それって…



もしかして…



この花束…ブーケの持つ意味に気づいてしまったあたしは、



「これで次の花嫁サンは杏奈ちゃんだね。…って、それは早すぎか。アハハ…」



「えっ…えっ…うっ……キャー！！」



「えっ！！」



何を思ったのか、ブーケトスのごとく、持っていたブーケをポーンと思いっきり後ろへ放り投げてしまった。