僕等が保つべき体温の最大
「神木さんは、いつも正直だね」

「正直?」

「ネコみたいだ。思った事にすぐ反応して」

「それって、ただ単純なんじゃ…」

「そうかな?でもどっちでもいいと思うよ。そういうのってスゴクいいよ」

「…。アリガトウ…」

褒められているのか何なのかわからないまま菜緒は礼を言った。

圭一は、たまに口もとで微笑んだりもするが、その目には悲しみがつきまとっていた。

「結衣に会って来たんだ」

菜緒はチクリと胸が痛んだが、それでも聞いた。

「知ってる。どうだった?」

圭一は、しゃべりだそうとしたが言葉がうまくまとまらないようで苦笑いを浮かべたりしていた。

「きっと…」

何を言えばいいかわからないけど菜緒は口を開く。圭一のその心に触れたいと思う。

「きっと…。結衣さんに会えた分だけ苦しかったよね…。」

圭一は、黙って菜緒を見る。

そしてコクリとうなずいた。

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