僕等が保つべき体温の最大
だったらと、洋太に誘われてたくさんの女の子と遊んだりもした。

何も考えなければ、ただ楽しいだけの時間を過ごす事ができる。

そして、それは充分気晴らしになった。

結衣との暮らしが長く続く中で、圭一はそんな”息抜き”を繰り返していたのだ。

”熱くならなければ”

多少の遊びはいいだろうと自分に言い聞かせて。

おそらくは、結衣に求められない部分を他に求めてもいたのかもしれない。

そして、それは当然のように圭一を苦しめた。

結衣に対する想いに罪悪感が重なって、どうしようもない気持ちになる。

あの事故さえなければ、こんな思いはしなかったんだろうと思う。

ただ、結衣と楽しい毎日を過ごせたのだろうとも。

圭一は、ただ保ち続けたいだけなのだ。

結衣と楽しくはしゃぎまわっていた頃の体温を…。

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