僕等が保つべき体温の最大
「なにしてんの?」

気がついたら洋太が横に立っていた。

「別に…」

圭一は手に持った携帯をもてあましながら、それに応えた。

「矢野紗梨奈?」

「ああ」

「遊ぶの?」

「別に」

なんだ。つまらなそうに、洋太はそれに応えた。

「海とかプールとか…」

「え?」

「行かないか、だって」

一転して洋太の顔が興味深そうに微笑む。

「で?どうすんの?」

迷ってる。というのが正直なところだが、そうとも言わず圭一は黙っていた。

「結衣ちゃんか?」

この質問にも無言で応える。

「まあ、今に始まったことじゃないしな」

「まあな」

「でも、楽しむことは別に罪じゃない」

「そうかな?そうなんだろうな」

圭一の無反応に近い反応に辟易しながらも、洋太は本題を切り出した。

「ところで…」

「ん?」

「英文科の神木菜緒って知ってる?」

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