僕等が保つべき体温の最大
数分前…。

チャペルの中は涼しかった。

しかし、事態が急変したのは式がひととおり終わったあと。

神父が「ミナサン外ヘ!」などと言い出し、圭一達は外の階段にならばされたのだ。

上着を脱ぐわけにもいかず、頭のてっぺんから汗が流れ落ちてくる。

ほんの4、5分のことだろうが、随分待たされた後、やっと教会の扉がひらいた。

「サア、ミナサン、フタリニシュクフクヲ!」

いつの間に現れたのか、神父が扉から続く長い階段の下で叫んでいる。

先輩と奥さんが現れた、とてもにこやかなその笑顔には、玉のような汗が吹き出ている。

「ソレデハ、ゴイッショニ!」

神父が大袈裟に手のひらを空にむけて叫ぶ。

ハッピー!ウェディング!」

神父の号令と共に投げ付けられるように、花びらが舞い上がった。

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