僕等が保つべき体温の最大
4 優しさとお節介
”また女の人と一緒だ…”
菜緒は、駅のホームで女性と歩く圭一を見つけた。
いつものクセで、その姿を目で追っていた。
”あの人…”
しばらくして、菜緒は自分が勘違いをしている事に気がついた。
そして、自分を恥じた。
圭一が連れている女性は、杖をついている。
歩きかたからして目が見えないようだ。
圭一は、その人を階段まで誘導していた。
”なんだ”
そういう事だったのか。と思い直す反面、少しでも圭一に対し軽蔑を向けた事を申し訳なく思った。
ひとごみを、それこそ泳ぐようにスイスイと誘導している姿は、とても慣れているように見える。
”スゴイ。えらいなあ”
自分だったら…。
同じように出来ただろうか?
出来るかどうか考える前に、今まで気にもしなかった事に菜緒は気付いた。
”私は…”
誰かを助けるとかをしようとも思ってなかった。
菜緒は、駅のホームで女性と歩く圭一を見つけた。
いつものクセで、その姿を目で追っていた。
”あの人…”
しばらくして、菜緒は自分が勘違いをしている事に気がついた。
そして、自分を恥じた。
圭一が連れている女性は、杖をついている。
歩きかたからして目が見えないようだ。
圭一は、その人を階段まで誘導していた。
”なんだ”
そういう事だったのか。と思い直す反面、少しでも圭一に対し軽蔑を向けた事を申し訳なく思った。
ひとごみを、それこそ泳ぐようにスイスイと誘導している姿は、とても慣れているように見える。
”スゴイ。えらいなあ”
自分だったら…。
同じように出来ただろうか?
出来るかどうか考える前に、今まで気にもしなかった事に菜緒は気付いた。
”私は…”
誰かを助けるとかをしようとも思ってなかった。