僕等が保つべき体温の最大
「しかも、これ?!」

「先輩の彼女がお洒落にやりたいって」

式の後のパーティーは驚く事に中庭で行われた。

緑の芝が輝く中庭には、所々に木陰があり、そこにドレスやスーツを着た人々が集まっている。

シャンペンをいれたグラスはビショビショで、一気に飲み干さないと直ぐにぬるくなる。

パーティー序盤で早くもデザートのワゴンが出現し、それがシャーベットだと知れるとあっという間に長い列が出来た。

「暑い…。プールに入りたい…」

圭一は木陰にもたれるどころか、腰を降ろして唸っている。

「もう少しだ、我慢しろよ」

洋太が圭一の分の飲み物を持って帰ってきた。

汗でぬれたグラスは手から滑り落ちそうになる。

圭一は左手でグラスを持ち直すと、グッと飲み干す。

体に入れたアルコールは飲んだそばから蒸発するようで、イマイチ酔いが回らない。

「今度は、自分で持ってこいよな」

洋太にいわれて、渋々圭一は、立ち上がった。
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